特集
vol.04 食用ほおずき『キャンディーランタン』~各種病状・原因・対策~
<カリウム(K)欠乏症状>
- 葉縁部からの黄変。
- 果実肥大期はカリウム要求量が高く、中位葉が黄変してくる。
- 着果制限を行わない栽培ではとくに生育中期に急激に発生する。
- 追肥の施用割合を(N:K=1:3)程度とする。
<マグネシウム(Mg)欠乏症状>
- 葉脈間の黄変(葉脈の緑は残る)。
- 新葉展開期に発生し、中位葉から黄変してくる。
- かん水(水やり)不足が原因で発生する。
- マグネシウムは先端部での要求量が高い。植物体内での移動がみられやすく、中位葉に黄化が発生しやすい。
- 適度なかん水により回復が見られない場合は、Mgの葉面散布を行う。
<カルシウム(Ca)欠乏症状>
- 葉縁部の委縮(カッピング)。
- 新葉展開の阻害。
- 水分供給不足により助長され、定植後からの根の伸長と地上部の生育バランスが悪いと発生する。
- 急激な高温による蒸散量の増加によっても引き起こされる。
- 出ベソ果の発生を伴う。
- Ca剤の施用。
<うどんこ病>
- 葉の表面に点々と白いかびが生じ、次第に葉面全体に広がり、白いうどん粉を振り掛けたようになる。
- 空気が乾燥しすぎると発生しやすい。
- 施設栽培では、年間を通じて発生し、特に5~6月ごろに多発する。
- 露地栽培では、梅雨期以降に次第に発生し、夏から秋にかけて多発する。
- 発病葉をこまめに取り除く。
<サーコスポラ属菌による斑点症状>
- 葉に白色~淡褐色の小斑点を生じ、円形~楕円形の5~6mmの斑点となる。周縁は褐色~赤褐色。
- 病原菌は病斑上に形成される胞子が風雨によって周囲に飛散し発病が拡大する。また病原菌は被害残渣とともに圃場に残る。
- 肥料切れで多発する。
- 長期保管の苗や、定植直後に活着が速やかに行われなかった場合などに発生する。
- 発病葉を取り除く。肥料切れしないようにする。
<テントウムシダマシ類による食害>
- 主に葉の裏からの食害。削られたような食害痕が特徴。
- ニジュウヤホシテントウ、オオニジュウヤホシテントウなどによる食害。
収穫物のトラブル(原因と改善策)
①裂果(果実が割れる)
- 急激な水分供給…極端な乾燥条件からの急激な水やりは厳禁です。水やりはこまめに行いましょう。
- チッソ過剰による肥大バランスが悪い…追肥を抑え、施肥設計を見直しましょう。
②未熟果(甘くない果実)のまま落果
- 過繁茂による食味低下…光合成産物の不足が原因ですので整枝を行い採光の改善が必要です。
- 高夜温による早熟…夜温管理温度を下げましょう。盛夏季は回避不能です。
- 草勢低下…高節位の葉数不足のため、追肥・かん水などで草勢回復を図りましょう。